コラム
トップ コラム 瞑想サロン「精神と時の部屋」が生まれるまで第4話

コラム

瞑想サロン「精神と時の部屋」が生まれるまで第4話

2024.10.30

20代に活躍したエアロビクスインストラクターの活動に終止符をうったのは29歳。
ヨガインストラクターからヨーガ指導者への転身も9のつく39歳のときでした。

40歳の誕生日をヨーガの聖地リシケシで迎えたのは、大きな決断をした後でした。
前回の第3話に書いた二つの道のはざまで悩んだ末の。
2月の北インドは底冷えの寒さで、誕生日の夜は冷たい雨が静かに降っていました。

リシケシの前に訪れた南インドは暑さと湿気のマーブルみたいな空気。
湖と椰子の木を視界に入れながら大きな石に腰かけ、どれほど考えたでしょう。
今現在の代表の姿を実現するには、どちらの方向へ進むべきかと。

当時から今の姿を目標にして歩んできたこの道。
ヨーガ指導は、ヨーガの科学を一人ひとりの道にして示すことです。
そんな指導をする指導者を目標にしてしまったのですから、道が長くなるのは当然です。

しかし、過ぎてしまえば10年や20年などあっという間でした。
そして、書ききれないほどの経験をして今の自分があることに書き始めたことで気づきました。
1冊の本にするくらいのつもりで書かないと、それほど年齢を重ねたということなのですが。

ヨーガ指導者の道は、学校だけに限定されるものではありません。
むしろ学校の外にあることに視野を広げないと真の意義が見えてこないのが人智を超えた
ヨーガの科学です。

ロサンゼルスで出会った当時86歳のヨーガの巨匠(女性)は、「本当はヨーガを教えるのに
資格なんていらないのよ。あなたのような気持ちを持った人が教えるべきなのよ」と。
両肩を抱いてまっすぐこちらの目を見て言ってくれたことは、昨日のことのようです。

日本でのメンターは著名な女医の方でした。
代表の身体が不調になるたび拍手をして「おめでとう!あなたは苦しみなさい。そうしないと
人の痛みも苦しみもわからないでしょう」と言われ、決して診察しようとはしませんでした。

かの有名なメガネ屋さんの社長は、代表の目をパッと見ただけで「あなたは二流だね」と。
なぜなら、コンタクトという偽りの目で人の身体を見ているからだそうです。

「あなたの仕事は目で人を見ることじゃない。感じること、観じてあげることでしょう?!」

そう言われたその日にコンタクトはすべて捨てました。
その社長の一言のおかげでこの肉体は聴診器になり、レントゲンになり、心の声の翻訳機になりました。
もう15年以上前の話になりますが、それからコンタクトはもちろんメガネもかけず裸眼で指導しています。

心には目標を、第三の目には魂のヴィジョンを。
そうすれば、見るもの聞くものすべてがメッセージになります。
誰がどんな天のお告げをもたらすかわかない、人との出会いは一期一会、ぼーっと生きてなどいられません。


そして今、精神と時の部屋がスタートし、また10年後の目標に向かって歩み始めました。

初版「覚醒のヨーガ」につづりましたが、日本に帰ってヨーガを教えるように言われたあの日がなければ、
あのまま代表はインドにいたのでしょうか。

当時のパートナーとインドにヨーガ道場を設立し、結婚を夢みた時もありました。
しかし、インド特有の結婚のルールには逆らえず人生を一緒に歩むことはできませんでした。

精神世界の師(グル)は男性が多く、インドのヨガ仲間もみんな男性です。
過去の師に、女性はヨーガのポーズだけ教えて綺麗にしていた方がいいよと。
こんな厳しいことに女性は手を出すものじゃないと言われたことがあります。

インドから帰国後、都内の貸しスタジオでレッスンを始めたときは参加者ゼロの日が続きました。
レンタル費と交通費を払って往復するだけの日々が、どれだけ続いたかわかりません。

それでも折れることなく今に到達できたのは、目標という意志があったからだと思います。
そして、人を根本から再生する方法はヨーガの科学にあることに確信を持っていたからです。
ヨーガを千差万別に応用して各人に教えられるようになるための修行だと思えば、何事も耐えられました。

むしろヨーガ指導者になるなら乗り越えなければならない。
どんなときもヨーガの科学を指導する者の風格を保っていられるか。

自分で事業をしていると調子が良いときは機嫌がよく、格好良くいられます。
しかし、その裏面に立たされたときも同じようにいられるかどうかで人は本物かどうかが問われます。

そう思えば、裏面を経験できてよかったと思っています。
暗闇のなかでも夢を失わないこと、感謝の気持ちを持つこと、冷静さ、俯瞰の意識、正しい姿勢、
深い呼吸を保ちつづける訓練をさせていただけたからです。

自分の調子がいいときだけ時間があるときだけの瞑想の実践であれば、この経験まではできません。
瞑想は光と闇のはざまで為し続けられてこそ。
悟りはその境地にある。

与えられた境遇に感謝しています。

5話に続く


瞑想サロン精神と時の部屋

瞑想サロン精神と時の部屋は、ラージャ・ヨーガに基づいた科学的なアプローチによる脳と心のトレーニングプログラムを指導しています。40歳以上の大人に瞑想を啓蒙することで認知症予防を啓蒙し、ビジネスリーダーのメタ認知力を高めることで日本経済を活性化することをミッションとし、日本のQOL、ウェルビーイング向上のために活動しています。

所在地:会員制のため住所非公開

代表者:畠山 桂子

設立:2024年10月17日

URL:https://sprit-time-room.com