コラム
大人は精神世界から生き方を学ぶ
2024.11.11
2024年も終わりが近づいてまいりました。
今年とてもショックだったことは、フジ子・ヘミンさんが旅立たれたことです。
フジ子さんのリサイタルに初めて行ったのは、30代のときでした。
終始涙がとまらず、終わった後も席を立つことができないほど全身で感動しました。
それからというもの毎年2〜3回、フジ子さんのピアノを聴きに行きました。
なかでも忘れられない回は、前から4列目の席でフジ子さんの腕の動きを拝見できたときです。
肘のシワに魅了されました。
YouTubeでも、過去のリサイタルを拝見することができます。
弾きながらときどき宙に目を向けられるフジ子さんの表情を見るたび背筋がゾクっとします。
精神世界を学ぶメリットは、まさにこれです。
メイクやファッションでは表現できない内からにじみ出る魅力を身体から放つこと。
「魂のピアニスト」と称されたフジ子さんを思い出せば、わかるような気がいたしませんか?
フジ子さんは、60代から表舞台で活躍されたまさに大器晩成型の方です。
売れない時代は、塩を舐めてしのいでいたと伝記にありました。
この忍耐は、ご自身の未来を魂の意識では確信していたからではないかと思います。
自分の芸術が深くなればなるほど、自我ではない人智を超えた力を信じるようになります。
芸術を表現する自分の身体を通して、その価値を実感することができるからです。
この実感が強まるほど時間や環境などの物理的な壁、年齢や肉体的なことは問題ではなくなります。
潜在能力は、この実感が確信に変わるたび花びらが一枚ずつ開花していくように顕現されてきます。
ですから、自分の内なる力を信じることはとても、とても大切なことなのです。
とは申しましても、人はないものを信じることはできません。
ですから、はじめは知識としてその力がどういうものか、どのように肉体に及ぶのかを学びます。
魂が目覚めると、人生の波の中で立ち、生活をコントロールし、自分の問題に対処できるようになります。
そして、問題を解決するたび冷静沈着さがそなわり使命に着手できる人格が形成されていきます。
魂の意識に目覚めると自分の人生を読めるようになります。
人生は潮の満ち干きのように、山あり谷ありと言われるように、リズムがあります。
意識が精神的に目覚めていないと、谷にはまってから気づくことになります。
今は引き潮のときなのか、それとも大きなエネルギーの流れを受けているときなのか。
魂とつながるよう自分を強化し安定させるときなのか。
より大きな人生にそなえて静止の時期なのか。
自分の足で立って生きるとは、この自然のリズムを読むことです。
そして、心と身体を今のリズムに合わせるように調整していくことなのです。
スピリチュアルに生きる、精神世界を学ぶということは、これをあなたの現実にすることです。
そのためには「自然のリズム」と感覚的に理解するのではなく、知識としてしっかり理解することが重要です。
わたくし自身も、このリズムを読むことができなければ、人の意見に流され耐えることに我慢できず、
瞑想サロン精神と時の部屋を実現できていなかったでしょう。